ミツバツツジの咲く頃に | 山本茂伸
継ぎ足しの工事で出来たツートンカラーのアスファルトの道
枯れた蔦の生える2階建てのビル
土手の黄色い花の名を尋ねることなく
家と家と畑と山が繰り返す
ミツバツツジの咲く頃、私は蒸発を希求した
コップのふちから溢れ出て
フワッと空気に溶けたい
三つの川といくつかの谷を超えて
浜辺の集落にたどり着き
私の知らないものになりたい
光はどこまでも透明で斜めで
波音は小さく海も浅い
私は貝ほどの大きさになり
砂に潜って水を吐く



