日本三百名山のひとつ、龍門岳には、義淵僧正が岡寺と共に五ケ龍寺のひとつとして建立した「龍門寺」があり、その遺跡は、龍門の滝とともに日本遺産に指定されています。

久米仙人が修行したといわれ、宇多天皇、菅原道真、藤原道長らが参詣した龍門寺は1500年代はじめに戦火で焼け廃寺になりましたが、別院は菅生寺、西蓮寺として再興して現在も続いています。

龍神が棲むといわれる神秘の山、龍門岳は古来神仙郷とされ、葛野王、菅原道真、松尾芭蕉、本居宣長といった当代一流の文人達が訪れ、詩に歌に句に詠みました。そして、戦時中は上海で活躍し、戦後は詩誌「日本未来派」の創刊者となり、戦後現代詩を支えた詩人・池田克己が生まれたこの地、吉野龍門はまさに詩の聖地といえます。

春は桜、秋は紅葉の美しい津風呂湖は、全国から釣り人の集まる名所でもあり、吉野産木材を利用したカヌー競技場では、2時間3000円でカヌー体験も楽しめます。

また、池田克己生家のある平尾は参勤交代の通り道でもあった伊勢街道沿いの町で、現在の宇陀市から大淀に至る15の村を治める代官所がありました。龍門騒動の舞台にもなった代官所は今はもう石垣を残すのみとなりましたが、当時の建物も多く残る龍門は、往時の面影を偲ばせています。平安時代から続く龍門大宮には、八代将軍吉宗の寄贈した石灯籠が残されています。

歴史と神秘、水と緑に溢れた吉野龍門にぜひ遊びに来てください!