あわいを生きる|山本茂伸
あわいが好きだ
路地の曲がり角、水と地のあわい
川と海の交わる汽水の町
どこまでも広がる灰色の空
沈黙と音、影の色
繋いだ手と手、見つめ合う心と心のあわい
捨てられた言葉と拾われた言葉
ずるくて、いい加減な自分がいるが、それも悪くはなかった
あわいを生きる、これが私にここちよい
中途半端で意思が弱くて、限りなく曖昧だけれど
空と海が溶け合うところ
秋と冬のあわい
夢か現実か分からない日常
過去と未来の真ん中に私はいたい




